特集 整形外科疾患に対するエコーガイド下注射の最前線
急性頚部痛の鑑別とエコーガイド下注射の適応
小林 只
1
,
木村 裕明
2
1弘前大学医学部附属病院,総合診療部
2木村ペインクリニック
キーワード:
Myofascial pain syndrome(MPS)
,
Interfascial injection
,
Fascia release injection
Keyword:
Myofascial pain syndrome(MPS)
,
Interfascial injection
,
Fascia release injection
pp.841-851
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000052
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急性発症の頚部痛の中でも,「寝違え,むちうち症」など症状名が病名として扱われている現状は,肩における「五十肩,肩こり症」と同じであり,解剖と病態に基づいた評価と治療がなされる必要がある。今回は,①非運動器疾患(例:髄膜炎,くも膜下出血,椎骨脳底動脈解離)と運動器疾患の鑑別,②運動器疾患のうち,炎症性疾患(例:Crowned denssyndrome,石灰化性頚長筋腱炎)と非炎症性疾患の鑑別,③ 運動器疾患の非炎症性疾患(例:筋膜性疼痛症候群,頚椎椎間関節症,頚神経根障害)に関して,その鑑別方法(痛みや可動域制限の原因となっている部位を触診・動作分析・エコーで評価)と治療方法(治療的診断含む)を概説する。頚部は他部位よりも局所麻酔薬による合併症に注意する必要があるため,非炎症性疾患に対して使用する注射薬は主に生理食塩水や重炭酸リンゲルがよい。併せて,再発予防,セルフトレーニングなどの運動指導や生活動作指導が重要である。
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