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症例1は20歳代,男性。胸部単純X線では両側上肺野優位のすりガラス影と多発する嚢胞が認められる(図1)。両側上肺野のすりガラス影と嚢胞からは,肺気腫と喫煙関連の変化や過敏性肺臓炎など吸入による変化は考えやすい。しかし,両側のすりガラス影という所見を感染性疾患と非感染性疾患に分けて系統的に考えてみると,感染性疾患としてはニューモシスチス肺炎(pneumocystis pneumonia:PCP),サイトメガロウイルス肺炎,COVID19(coronavirus disease 2019)肺炎,そのほかのウイルス肺炎,マイコプラズマ肺炎などが考えられ,非感染性疾患として肺水腫,急性呼吸脅迫症候群/急性間質性肺炎,非特異性間質性肺炎,剝離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia:DIP),通常型間質性肺炎の急性増悪,clinically amyopathic dermatomyositis(CADM)に伴う急速進行性間質性肺炎,薬剤性肺炎,びまん性肺胞出血,肺胞蛋白症,急性好酸球性肺炎,過敏性肺炎,血管内リンパ腫などが挙げられる。また,嚢胞という所見から鑑別に迫ってみるとRaoofらは,気腫・嚢胞性気管支拡張,ブラ・傍隔壁型肺気腫・蜂巣肺のように胸膜下にみられるものを除外した後に,すりガラス影や結節などの随伴所見とともに鑑別することを提唱している。すりガラス影が随伴している場合(PCP,DIP)や結節影が随伴している場合(リンパ球性間質性肺炎,軽鎖沈着症,アミロイドーシスなど)を考え,最後に単発性の嚢胞であればincidental cyst,pneumatocele,気管支原性嚢胞,多発性であればBirt-Hogg-Dube症候群,リンパ脈管筋腫症,肺ランゲルハンス細胞組織球症(pulmonary Langerhans cell histiocytosis:PLCH)などが考えられると述べている1)。
We will introduce three cases:a case with ground glass opacity with multiple cysts, a case with combination of interlobar septal thickening with multiple cysts, and a case of drug induced pneumonitis with bronchiolar pattern.
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