特集 血菅炎症候群のすべて
序 内科の立場から
磯部 光章
1
1榊原記念病院院長/東京医科歯科大学名誉教授
発行日 2021年9月20日
Published Date 2021/9/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000001712
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血管炎症候群は広く動脈・静脈に炎症を起こし,全身臓器を巻き込むことの多い,主として自己免疫を基盤として発症する一群の疾患を包含する概念である。文献上の記載は1866年KussmaulとMaierによる結節性動脈周囲炎の報告が最初とされるが,江戸時代の1824年に発表された山本鹿洲による橘黄医談という書物に左右上肢の脈拍欠失をきたした高安動脈炎と考えられる45歳男性例の記載があり1),血管炎そのものは古くから世界各地にみられる疾患であったと思われる。
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