特集 泌尿器の画像診断と放射線治療
画像診断 小児尿路
小児尿路感染症と救急疾患
宮坂 実木子
1
,
野坂 俊介
1
1国立成育医療研究センター 放射線診療部
キーワード:
UTI
,
hydronephrosis
,
children
Keyword:
UTI
,
hydronephrosis
,
children
pp.1459-1468
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.18888/rp.0000000159
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
救急診療の現場において,小児の尿路疾患として考慮すべき比較的頻度が高い疾患は,尿路感染症,閉塞性尿路疾患,尿路結石,急性腎不全,腫瘍性疾患などである。発熱,血尿,蛋白尿,腹痛,腹部腫瘤触知などが主訴である。画像診断検査の目的は,外科的処置を必要とする疾患をスクリーニングすることであり,第1 選択は,超音波検査(US)である。腹痛を主訴とする場合は,虫垂炎などの消化管疾患が念頭に置かれて精査されることが多いが,腎臓,膀胱を含め腹部全体をスクリーニングすることが肝要である。そのUS 所見と臨床症状を加味しながら,次なる検査の適応を考慮する。特に,乳幼児に対する尿路感染症の初期診断,治療方針については,2007 年に発表された英国のNICE(National Instistution for Healthand Care Excellence)のガイドライン1)と2011 年に報告されたアメリカ小児科学会(Americanacademy of Pediatrics:AAP)からのガイドライン2)で,大きな見直しがされた。放射線被曝を伴う排尿時膀胱尿道造影(voiding cystourethrogram:VCUG)や核医学検査の適応が見直され,US で異常所見を認めたもの,臨床的に非典型的または再発例とされているものか,適応とされた。本稿では,代表的な非外傷性小児尿路疾患について解説する。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.