特集 困難症例に対する消化器内視鏡外科手術(食道・胃)
縦隔鏡下食道切除における困難症例の見極めと対策
藤田 武郎
1
,
佐藤 和磨
1
,
久保 祐人
1
,
梶山 大介
1
,
岩部 佑亮
1
,
大幸 宏幸
2
1国立がん研究センター東病院食道外科
2国立がん研究センター中央病院食道外科
キーワード:
縦隔鏡下食道切除
,
困難症例
Keyword:
縦隔鏡下食道切除
,
困難症例
pp.1763-1771
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004707
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縦隔鏡下食道切除においては一定の困難症例が存在し,患者因子による手術困難性の幅が通常の胸腔鏡手術よりも大きいと筆者は考える1)。そのため,縦隔鏡の経験数が多くない現状では「どのような症例で難度が高いか」を理解することが重要で,定型的な縦隔リンパ節郭清を行うには「どのような心得が必要か」が,安全・確実な縦隔鏡手術を行ううえでの重要事項と考える。「定型的な縦隔鏡操作」を行ううえでやや困難が生じる症例は,解剖学的あるいは体型的な因子で困難が生じる場合と,腫瘍学的因子で困難が生じる場合に大別される。とくに安全な導入にあたっては,「定型的な操作の難度が高くなる」症例因子を知ることが重要である2)。

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