Ⅰ．総論 1）肝胆膵外科におけるConversion Surgery

肝胆膵領域の悪性疾患は，かつては早期診断が困難であったこと，あるいは難度の高い手術技術が要求されてきたことなどから外科切除適応外となることが高率で，十分な長期成績を得ることが困難な領域であった。最近では各種診断能の向上に加えて分子標的薬を含めた化学療法の成績の向上，および外科解剖の正確な把握や各種デバイスの進歩による手術技術の向上により，治療成績は改善しつつある。しかし，現在の診断能，手術技術によっても診断時の進行度により切除を断念せざるを得ない症例が多くを占めている。