特集 消化器外科手術の論点2020 誌上ディベートと手術手技
大腸外科 10 直腸癌手術の最適アプローチ 経腹アプローチの立場から─直腸癌に対するロボット支援下直腸前方切除術
板谷 喜朗
1
,
河田 健二
1
,
肥田 侯矢
1
,
大嶋 野歩
1
,
水野 礼
1
,
坂井 義治
1
1京都大学消化管外科
キーワード:
ロボット支援下直腸手術
,
直腸癌
,
定型化
Keyword:
ロボット支援下直腸手術
,
直腸癌
,
定型化
pp.530-537
発行日 2020年3月31日
Published Date 2020/3/31
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001631
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腹腔鏡手術の登場で,その拡大視効果により外科的微細解剖の理解が深まり,また録画による手術の復習や教育が容易になった。直腸癌手術は骨盤内という限られたスペースに重要臓器(消化管,泌尿生殖器,神経大血管,筋肉など)が密集する解剖学的な構造から,腹腔鏡手術の拡大視効果の恩恵を最も受けたと言っても過言ではない。しかし,それでも手術難度は高く,腫瘍学的な安全域を確保するために不要な拡大手術を行えば,神経損傷や人工肛門などで術後のQOL低下につながり,術後QOLを重視して不適切な縮小手術を行えば癌再発のリスクを抱えることとなる。
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