特集 この手術に欠かせない必須デバイス紹介─こだわりの理由と正しい使用法
腹腔鏡下膵体尾部切除術に欠かせない必須デバイス
仲田 興平
1
,
大塚 隆生
1
,
森 泰寿
1
,
宮坂 義浩
1
,
中村 雅史
1
1九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科
キーワード:
laparoscopic distal pancreatectomy
,
3D-CT
,
デバイス
Keyword:
laparoscopic distal pancreatectomy
,
3D-CT
,
デバイス
pp.51-58
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000000537
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1990 年代に入り,腹腔鏡手術は胆嚢摘出術をはじめ世の中に広く普及し,その手術症例数は急速に増加してきた。それに伴い,多くのエネルギーデバイスや鉗子が製品化・販売されている。胆嚢摘出術をはじめ,胃・大腸切除術などはすでに腹腔鏡手術手技の定型化が進み,各施設で使用するデバイスも固定化してきている。しかし,腹腔鏡下膵手術は,2012 年に良性および低悪性度腫瘍に対する膵体尾部切除術の保険適用が開始され,2016 年に悪性腫瘍への適用拡大が認められたばかりである。Nakamura ら1)はpropensityscorematching を用いた大規模な比較試験を行い,良性疾患に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術の利点を報告しており,本術式は今後広く普及していくことが予想される。しかし,現時点では腹腔鏡下膵体尾部切除術は,腹腔鏡下胃切除術や大腸切除術に比べるとわが国での蓄積症例数は少なく,手技の定型化も遅れていると思われる。
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