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全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)は,多数の自己抗体の産生を主体とする自己免疫異常を背景として全身に多彩な症状を呈する疾患である。皮膚症状はエリテマトーデスのなかでも非常に高頻度であり,その存在が疾患活動性を反映するため,まず注目すべき所見である。しかし皮膚所見は極めて多様で,紅斑以外にもさまざまな皮疹が現れ得ることが鑑別を難しくしている。エリテマトーデスの皮膚病変(皮膚エリテマトーデス,cutaneous lupus erythematosus;CLE)は ① SLEに伴って出現するSLE関連CLE(SLEの皮膚病変としてのCLE)と,② SLEを認めない原発性CLEに大別して考えると理解しやすい。さらに皮疹の臨床型として,急性皮膚エリテマトーデス(acute CLE;ACLE),亜急性皮膚エリテマトーデス(subacute CLE;SCLE),慢性皮膚エリテマトーデス(chronic CLE;CCLE)に分類する。ただしこの「ACLE/SCLE/CCLE」は皮疹の型による分類であり,「SLE関連/原発性」という全身病変の有無の分類とは直交する。ACLEはSLE関連が多く,CCLE(特に円板状皮疹)は原発性が多い一方,SCLEやCCLEでもSLEを合併し得るため,皮疹型だけで全身性の有無を断定しない姿勢が重要である。また,それぞれ臨床像や全身病変への発展リスクが異なる(図1)。ACLEは典型的には頬部から鼻梁にかけて出現する頬部紅斑であり,紫外線曝露で誘発されて消退後も瘢痕を残さない。頬部紅斑はSLE診断時の約半数に認められ,疾患活動性とも相関することが知られる。SCLEは輪状紅斑や丘疹落屑性紅斑(乾癬様の紅斑)を呈し,主に日光曝露部位に生じる。SCLE病変は瘢痕を残さないが色素脱失を残すことがあり,また関節痛や筋痛など比較的軽度の全身症状を伴うことが多い。急性型に比べ全身性への移行リスクは低い。CCLEの代表は円板状皮疹(discoid lupus erythematosus;DLE)であり,境界明瞭な大小不同の紅斑が表面に鱗屑を伴って萎縮や色素沈着を呈し,治癒後は瘢痕を残す。頭皮の円板状病変では瘢痕性脱毛をきたしうる。CCLEは多くが皮膚限局型にとどまりやすく,局所的なDLE病変のみで全身性病変を伴わない例も多い。CLEの皮疹はこのように多彩である。急性型の蝶形紅斑のほか,水疱性ループス(ACLEの亜型で緊満性小水疱を呈する病変),深在性ループス(脂肪織炎を伴う皮下結節病変),凍瘡様ループス(四肢末端に生じる難治性の凍瘡様紅斑),lupus erythematosus tumidus(真皮ムチン沈着による紅斑性丘疹で瘢痕化しない亜型)などが知られている。CLE各亜型のうち,急性型はSLE活動性の指標となりうるのに対し,慢性型(特に限局性のDLE)は長期に皮膚症状のみで経過する場合も少なくない。このように皮膚科医はエリテマトーデスの初期診療で重要な役割を担っており,皮膚症状を手がかりに全身性病変の早期発見・介入につなげることができる。また皮膚症状自体が生活の質(QOL)に与える影響も大きいため,皮膚科領域で適切にマネジメントしていくことが患者の生活の質向上につながる。

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