Japanese
English
症例
石川県で発生したツキノワグマ外傷の1例
Asian black bear-inflicted injury occurring in Ishikawa Prefecture
池田 智行
1,2
,
木村 浩
1
,
笠原 数麻
3
,
助川 俊之
4
Tomoyuki IKEDA
1,2
,
Hiroshi KIMURA
1
,
Kazuma KASAHARA
3
,
Toshiyuki SUKEGAWA
4
1加賀市医療センター,皮膚科(主任:木村 浩診療科長)
2加賀いけだ皮膚科,加賀市
3同,脳神経外科
4同,眼科
キーワード:
ツキノワグマ
,
ブナ科植物
,
不作
,
里山の荒廃
,
生活圏
Keyword:
ツキノワグマ
,
ブナ科植物
,
不作
,
里山の荒廃
,
生活圏
pp.1657-1660
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000005498
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80歳,女性。魚の行商。石川県内の住宅地で魚の販売中に,ツキノワグマに襲撃された。初診時,右側頭部と耳前部に5cmの深い裂創があった。側頭部裂創は頭蓋骨が一部露出し,拍動性出血を伴った。右内眼角にも深い裂創があった。右側胸部と膝に10cmを超える筋層に達する挫滅創を認めた。全身管理と局所処置により創部は治癒し第22病日に退院した。涙小管の損傷はなく,眼瞼下垂も軽快した。近年,気候変動に伴いブナ科植物のドングリが不作となる年が増加している。今後,エサを探すため,クマが人間の生活圏へ出没し市街地でのクマ外傷が増加することが予想される。

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