特集 病態から考える薬物療法
第XI章 付属器疾患
4 多汗症
並木 剛
1
Takeshi NAMIKI
1
1東京医科歯科大学,皮膚科
キーワード:
多汗症
Keyword:
多汗症
pp.860-863
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003281
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近年,発汗異常症が周知されてきていることにより皮膚科を含めた医療機関を受診する患者が増えている。それに伴い発汗過多を主訴に受診する患者が急増してきており,多汗症に対するより有効な治療法の開発と改良が望まれている。多汗症はその原因の有無から明らかな原因が特定できない原発性(特発性)多汗症と原因疾患が特定可能な続発性(2次性)多汗症に分類できる。また発汗機序からは,気温や湿度により誘発される温熱性発汗と緊張やストレスなどの精神的な要因により誘発される精神性発汗に分類できる。これらの原因面や発汗機序の側面などを理解したうえで個々の患者に対することで,より適切な診断と治療が可能となるものと考えられる。多汗症の病態機序解明や治療法の開発はまだ発展途上の面があり今後の発展が望まれるが,現時点での解明されている病態に基づき,その病態に対応した治療法やそれぞれの治療薬の意義などにつき述べる。
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