Infundibulocystic Basal Cell Carcinomaの1例

Infundibulocystic Basal Cell Carcinoma

74歳，女性。5年以上前から頭部に結節があり，徐々に増大した。初診時，左頭頂部に17×17×7mm大，有茎性，表面平滑，一部有毛性の淡紅色の結節が存在した。結節表面には，血管拡張がみられた。ダーモスコピーでは，黄白色調の領域に樹枝状血管がみられた。病理組織学的に，真皮全層にわたって有棘細胞様細胞が索状・網状・島状に増殖していた。腫瘍内には，角質囊腫が散見され，囊腫壁は毛包漏斗部に類似した重層扁平上皮で構成されていた。腫瘍胞巣と間質間にはムチンが著明にみられた。腫瘍胞巣の一部は辺縁で核が柵状配列を呈し，毛芽細胞様細胞も存在した。Infundibulocystic basal cell carcinomaは，日本語の論文が乏しく，特にダーモスコピー所見の記載もほとんどないことから，1例報告した。