疾患別• 知っておきたい皮膚科の検査とその評価法
ワンポイントアドバイス 2 免疫抑制療法時のB型肝炎ウイルス検査
黒崎 雅之
1
1武蔵野赤十字病院,消化器科
キーワード:
再活性化
,
既往感染
,
モニタリング
,
HBs 抗原
,
HBs 抗体
,
HBc 抗体
Keyword:
再活性化
,
既往感染
,
モニタリング
,
HBs 抗原
,
HBs 抗体
,
HBc 抗体
pp.855-861
発行日 2017年5月31日
Published Date 2017/5/31
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000302
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一旦完治したと考えられていたB 型肝炎が,リウマチ疾患に対する免疫抑制療法や悪性リンパ腫などの悪性腫瘍に対する化学療法によって体の免疫が低下したことをきっかけに,再発することがある。これがB 型肝炎ウイルスの再活性化である。再活性化による肝炎は重症化しやすく,一旦劇症肝炎を発症すると死亡率が極めて高いため,劇症肝炎を発症する前に対応することが重要である。免疫抑制・化学療法を行う際の基本的な再活性化対策が,日本肝臓学会からガイドラインとして示され,Web で公開されている(https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b)1)。このガイドラインに基づき,免疫抑制療法を施行する際には適切にB 型肝炎ウイルス検査を行うこと,そしてB型肝炎の再活性化の際には迅速に肝臓専門医と連携して治療をすることが必要である(図1)。本稿では,B 型肝炎の再活性化をいかに予防し,一旦発症した際にどのように対応すべきかについて,ガイドラインに記載されている内容を解説する。
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