特集 知っておきたい 眼科処置・手術の合併症対策と予防
Ⅶ 涙道 3 小児の涙道再建術
松村 望
1
1神奈川県立こども医療センター眼科(神奈川県)
pp.1119-1123
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003322
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小児の涙道疾患は,先天鼻涙管閉塞が最も多い。これに加えて,涙点閉塞や後天涙道閉塞もみられる。先天鼻涙管閉塞は自然治癒率の高い疾患であるため,外科的治療を要する症例は比較的少なく,また,手術の成功率は高い。それに対し,小児の後天涙道閉塞,特に流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis:EKC)後の涙道閉塞は自然治癒せず,閉塞部位は一定せず,瘢痕癒着を解除する技術が必要となり,難しい手術となる。涙点に器具を挿入するところから始まり,涙道粘膜を極力傷つけず,正しく涙道内を進め,閉塞部位を開放して再建し,必要に応じて涙管チューブを正しく挿入する技術は,予想以上に難しいことを認識し,安全で正確な手術を心がけたい。
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