Ⅱ.所見からみた診断の進め方
5 角結膜 6)結膜下出血/充血
井上 智之
1
1多根記念眼科病院(大阪市)
pp.1231-1234
発行日 2018年9月30日
Published Date 2018/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000855
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日常眼科診療で出会う頻度の高い症状である「目が赤い」(red eye)は,大別して血管の拡張を意味する充血と結膜下出血を含む。結膜は豊富に血管を含んでおり,免疫学的にも活発に反応するため,外界からの刺激や炎症に対して充血や出血が容易に起こり得る。結膜が刺激を受けると,小血管や毛細血管への血液量が増加して血管が拡張して,目が赤く目立つ状態となる。充血は結膜炎,角膜炎,強膜炎において,炎症により血管が拡張して起こる。見た目にもはっきりしている球結膜充血に加えて瞼結膜充血がある。充血は,大きく結膜充血,毛様充血,強膜充血,混合充血の状態が存在し,充血の状態により原因の鑑別が重要である。また,視診において充血に類似して見える状態に結膜下出血がある。
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