特集 視細胞疾患の病態と検査
序論
飯島 裕幸
1
1山梨大学大学院総合研究部眼科学
pp.301-302
発行日 2018年4月5日
Published Date 2018/4/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000621
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視細胞は網膜の外層に存在し,後頭葉視中枢に至る視路の最初の部分を担当する感覚受容器である。暗所視を担当する杆体と明所視を担当する錐体から成り,多くの網膜疾患の病態に関わっている。網膜色素変性,黄斑ジストロフィなどの遺伝性網膜疾患や,網膜下出血をきたす滲出型加齢黄斑変性での視力障害の責任部位であるだけでなく,糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症など網膜循環障害に伴う黄斑浮腫においても,視細胞障害が視機能予後に関係することが近年注目されている。またMEWDSやAZOORなど,炎症病態によって視細胞が障害される病態も知られるようになった。今回の特集では,まずこれら視細胞ジストロフィ,網膜下出血性疾患,網膜循環障害に伴う黄斑浮腫での視細胞障害,炎症性視細胞疾患について病態を解説し,さらにその画像検査として重要なOCTとAO-SLOに加えて機能検査として重要な網膜電図に焦点を絞って解説をお願いした。
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