私の経験
眼球運動障害が軽度な強度近視性斜視に対して右眼に上外直筋縫着術(横山法)を施行し、術後複視を訴えた1例
岡 晃子
1
,
宮田 良平
,
築留 英之
,
近藤 峰生
1三重大学医学部附属病院 眼科
キーワード:
眼科外科
,
斜視
,
術後合併症
,
X線CT
,
複視
,
変性近視
,
外側直筋
,
上直筋
Keyword:
Diplopia
,
Postoperative Complications
,
Strabismus
,
Ophthalmologic Surgical Procedures
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Myopia, Degenerative
pp.697-700
発行日 2016年6月5日
Published Date 2016/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016339122
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46歳女。3年ほど前から内斜視が進行し、その手術目的で当科受診した。矯正視力は右0.6、左0.8で、両眼に高度の長眼軸を認め、右眼は内下方へ偏位していた。頭部CT冠状断では両側上直筋・外直筋の偏位と、筋円錐内からの眼球の脱臼を認めた。右眼に対して横山法を施行し、水平斜視角の大幅な改善が得られたものの、術後に上斜視眼が逆転し、術前にはなかった複視が出現した。本例の経験から、横山法は水平斜視角を改善するだけでなく上下偏位にも影響を及ぼす術式であるため、特に、視力良好な症例に対しては術後の上下斜視を念頭におき、慎重に適応を考える必要があると思われた。
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