特集 骨盤骨折治療Update:基礎から応用まで
Ⅰ.骨盤輪損傷(高エネルギー損傷)
初期治療のポイント-整形外科医でも知っておかなければならないこと
前川 尚宜
1
1奈良県立医科大学救急医学講座
キーワード:
骨盤輪損傷(pelvic ring injury)
,
Damage control resusciation(DCR)
,
創外固定法(external fixation)
Keyword:
骨盤輪損傷(pelvic ring injury)
,
Damage control resusciation(DCR)
,
創外固定法(external fixation)
pp.359-365
発行日 2021年4月19日
Published Date 2021/4/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000000582
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重症骨盤外傷は3次救命救急センターなどの高次医療機関で治療されるも,致死率は約50%ともいわれる重症外傷である。救急医・集中治療医らのチームの一員として,整形外科医は実は大きな役割を担っている。大量出血のコントロールのための適切な輸液・輸血を含めた止血戦略と全身管理が重要である。特に,近年では凝固を意識した輸液・輸血管理が進んでいるほか,hybrid ER(hybrid emergency room)などの出現により初療からの治療戦略は変わりつつある。再建までの戦術も内固定方法の進歩や全身管理を行いやすくするために低侵襲で比較的早期になされることが増えてきていることから,早期からの整形外科医の介入は他の骨折同様重要になる。本稿では,骨盤外傷の初期治療に向き合う整形外科医が知っておくべき最近の戦略について,当センターでの経験も踏まえて詳述した。
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