特集 症候別画像診断プロトコル
疾病診断(症候別) 検査値・健診異常 胸部異常影 肺結節影[CT]
氏田 万寿夫
1
1立川綜合病院 放射線科
キーワード:
過誤腫
,
結核腫
,
MRI
,
鑑別診断
,
肺結節
,
胸部CT
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Hamartoma
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Tuberculoma
pp.56-59
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2019184001
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胸部単純X線写真による定期健康診断の目的 の1つは,伝染性疾患である肺結核と,わが国 で最も死亡者数の多い癌である肺癌の早期発見 であろう。しかし,末梢型肺癌で最も多い腺癌 は淡い陰影(CTですりガラス影)を呈すること が多く,形状は必ずしも類円形ではない。単純 X線写真で描出される辺縁明瞭な2cm以下の結 節影の多くは炎症性肉芽腫を代表とする良性結 節であり,単純X線写真で早期の肺癌を発見す るためには,肺野のわずかな濃度変化に注意す ることが肝要である。かつては国民病とよばれ た結核の罹患率が著しく減少した現在,不特定 の集団に対して行う胸部単純X線写真による健 診の有効性(利益)が,X線被ばくや過剰診断(偽 陽性),あるいは見落とし(偽陰性)などによる 不利益を上回るかという議論もある。本稿では, 健診で結節影が指摘された際の画像診断の進め 方について考えてみたい。
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