連載
頭蓋病変の画像診断(第10回) 頭蓋冠の腫瘍性病変(2)
中山 学
1
,
江原 茂
,
山國 遼
,
中里 龍彦
1岩手医科大学 放射線医学講座
キーワード:
X線診断
,
形質細胞腫
,
骨髄腫-多発性
,
骨肉腫
,
MRI
,
髄膜腫
,
頭蓋骨腫瘍
,
リンパ腫
,
頭部CT
Keyword:
Lymphoma
,
Meningioma
,
Multiple Myeloma
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Osteosarcoma
,
Radiography
,
Plasmacytoma
,
Skull Neoplasms
pp.628-635
発行日 2018年5月26日
Published Date 2018/5/26
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2018224890
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頭蓋冠の腫瘍性病変はまれであるが、ときに、不整な骨破壊像を示す溶骨性病変や多発病変、頭蓋内外へ進展する腫瘤形成など、悪性腫瘍の鑑別を要する症例に遭遇する。悪性腫瘍の既往が知られており、多数の頭蓋骨病変を認める場合には、まず第1に頭蓋骨転移が疑われるが、ときに、悪性腫瘍の既往がなく、単発性の頭蓋骨病変を示す症例もあり、しばしば診断に苦慮する。頭蓋冠に見られる悪性腫瘍には、頭蓋骨転移のほかに、多発性骨髄腫や形質細胞腫、リンパ腫、骨肉腫などがある。また、骨内髄膜腫は、組織学的に良性であっても、悪性腫瘍のような溶骨性変化や頭蓋内外に進展する腫瘤を形成し、悪性病変との鑑別を要する場合がある。これらの診断には、生検や手術による組織学的検索が必要であるが、その特徴的な画像所見から鑑別が可能な場合もあり、方針の決定や迅速な治療を行うために、画像診断は重要な役割を担っている。
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