特集 読影のお作法−連続画像スライスで追う頭頸部疾患の診断−
【頭頸部癌病期診断】上咽頭癌
檜山 貴志
1
1国立がん研究センター東病院 放射線診断科
pp.984-994
発行日 2025年9月26日
Published Date 2025/9/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000002144
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
上咽頭癌の好発部位はRosenmüller窩である。深部では咽頭頭底筋膜が傍咽頭間隙との境界を形成し,T2強調像で低信号を呈する構造として描出される。腫瘍が咽頭頭底筋膜を越えると傍咽頭間隙の脂肪織への浸潤を認める。耳管と口蓋帆挙筋が咽頭頭底筋膜を通過する部位はMorgagni洞とよばれ,腫瘍の進展経路となる。症例では,これらの深部構造の左右差を確認しながら腫瘍がどこまで進展しているか確認してほしい。

Copyright © 2025, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.