学会を聞く
第48回日本骨・関節感染症学会
崔 賢民
1
H. Choe
1
1横浜市立大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Yokohama City University, Yokohama
pp.1366-1368
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1366
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.は じ め に
2025年7月11日(金)~12日(土)に久留米シティプラザにて開催された第48回日本骨・関節感染症学会に参加したので,その概要と印象に残った講演内容を報告させていただく(図1a, b).
本学会は1978年に「日本骨・関節感染症研究会」として発足し,2006年に「日本骨・関節感染症学会」へと名称を変更した歴史ある学会である.現在の会員数は約700名で,毎年300名程度の会員が参加する,中規模ながらも専門性の高い学会である.筆者自身,骨・関節感染症を専門分野としているため,本学会にはたくさんの思い出と強い思い入れがあり,多くのことを学ばせていただいた.本学会の特徴は,整形外科における感染症の最新知見を共有するだけでなく,関節外科,脊椎外科,外傷外科,リウマチ科,手の外科,スポーツ整形,感染症内科,メディカルスタッフなどのさまざまな分野の専門家が多く参加する学際的な点にある.診療科を横断した感染症対策と治療の実践的アプローチが求められる中で,本学会にもさまざまな分野の専門家が多く集まっており,本学会の重要性は年々増していると実感した.
本年の会長は久留米大学整形外科教授の佐藤公昭先生で,テーマは「診療科の枠を越えた知見」であった(図1a).長期化,難治性化することの多い整形外科領域の感染症では,全身状態の評価や他科との連携が不可欠であり,すばらしいテーマであったと思う.

© Nankodo Co., Ltd., 2025

