学会を聞く
第46回日本骨・関節感染症学会
安部 晃生
1
A. Abe
1
1横浜市立大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Yokohama City University Graduate School of Medicine, Yokohama
pp.1335-1338
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_1335
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1.は じ め に
第46回日本骨・関節感染症学会が,三重大学整形外科教授の湏藤啓広会長のもと(図1),2023年6月23~24日に三重県津市の三重県総合文化センターで開催された(図2).
今年のテーマは「骨・関節感染症に勝つ!」であった(図3).須藤会長の挨拶では,“骨・関節領域の感染症に関する診断・治療は目覚ましい発展を遂げてきましたが,いまだ微生物との戦いは続いています.抗微生物薬の不適切使用を背景とする新たな耐性菌の出現と蔓延は世界的な問題となっていますが,日本においても1980年代をピークに新規抗微生物薬の開発は減少傾向にあり,これらの耐性菌に対する武器は少ないのが現状です.手術部位感染対策はエビデンスが蓄積されるとアップデートされ,以前の常識が常識ではなくなっていることがあるため,常に最新の知識で武装しておく必要があります.また,人工関節手術や脊椎手術などで用いられる整形外科インプラント周囲感染の治療の際には,インプラント温存は可能か,一期的に入れ替えることは可能か,全抜去が必要かなど緻密な作戦を立てる必要があります.会員の皆様と一緒に,この微生物との戦いを終結へと導くさまざまな戦略や新たな戦術などについて本学会で議論できればと考えています” と述べられ,本学会は実際に最新の知識のアップデートを図り,骨・関節感染症への戦略について考えさせられる会であった.
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