骨粗鬆症性椎体骨折 -――診断・保存療法・経皮的後弯矯正術

Osteoporotic vertebral fractures：diagnosis, conservative treatment, and balloon kyphoplasty

は じ め に

　骨粗鬆症性椎体骨折（osteoporotic vertebral fracture：OVF）は，骨粗鬆症に伴う脆弱性骨折の中でもっとも頻度が高い骨折である．軽微な外力で発生し，急性背部痛や脊柱後弯変形による機能障害をもたらし，日常生活動作（ADL）や生活の質（QOL）の低下につながる．さらに，一度椎体骨折を起こした患者では新たな骨折リスクが飛躍的に上昇するため，早期診断と適切な治療介入が重要である．

　本稿では，骨粗鬆症性椎体骨折の診断の流れ，保存療法の方針，そして経皮的後弯矯正術（balloon kyphoplasty：BKP）の適応と実際について解説する．