Japanese
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問題点の検討
第5中手骨頚部骨折に対する逆斜位X線撮影の有用性
Usefulness of reverse oblique X-ray for the fifth metacarpal neck fracture
畑中 渉
1
W. Hatanaka
1
1札幌中央病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Sapporo Central Hospital, Sapporo
キーワード:
metacarpal neck fracture
,
X-ray
,
reverse oblique
Keyword:
metacarpal neck fracture
,
X-ray
,
reverse oblique
pp.229-232
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_229
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は じ め に
中手骨頚部骨折の転位(角状変形)の程度を評価するには3方向(正面,側面,斜位)のX線撮影(図1)が推奨されており,通常の斜位像は回内45°での撮影である.回内斜位像が側面像を示しているのであれば,回内斜位像での第5中手骨頚部骨折の角状変形測定が最適になるはずである.しかし,Lamraskiら1)やSlettenら2)は,回内斜位像で角状変形を測定すると過大に評価されるため,側面像での測定を推奨している.ただし,側面像では隣接指との重なり合いで測定が困難なことがある.掌屈転位のチェックのためにはCTが測定するうえでもっとも容易ではあるが,経時的に撮影することは被曝量を考慮すると一般的とはいえない.
回内斜位像で角状変形を測定すると過大評価になるというLamraskiらとSlettenらの2論文があるにもかかわらず,回内斜位像が一般的に用いられていることに矛盾を感じ検索を続けたところ,1992年にLaneら3)が報告した逆斜位像(回外斜位像)[図2]が角状変形の測定に有用であることがわかったが,一般的ではない.本稿ではその根拠に関して,文献ならびにCT撮影での検討を行った.
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