上腕骨外側上顆炎に対する頻回のステロイド局所注射後に発生したと考えられた肘関節後外側回旋不安定症の1例

Posterolateral rotatory instability of the elbow due to frequent steroid injections for refractory lateral epicondylitis：report of a case

　肘関節後外側回旋不安定症（posterolateral rotatory instability of the elbow：PLRI）は1991年にO’Driscollらによって提唱され^1），その翌年にNestorらが靱帯再建手術を報告しているが^2），当時から上腕骨外側上顆炎に対する手術後に発症しうることが指摘されている．また，2005年にKalainovらは，ステロイド注射（steroid injection：SI）後に発生したPLRIの3例について報告しており^3），その後同様の報告が散見される^4）．筆者らは，上腕骨外側上顆炎に対する頻回なSIにより生じたと考えられたPLRIの1例を経験したので報告する．