学会を聞く
第30回日本小児整形外科学会
岡田 慶太
1
K. Okada
1
1東京大学整形外科
1Orthopaedic Surgery, Sensory and Mortor System Medicine, Surgical Sciences, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo, Tokyo
pp.489-492
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_489
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.は じ め に
第30回日本小児整形外科学会が2019年11月21日(木)~23日(土)の3日間にわたり大阪市中央公会堂で開催された(図1).川端秀彦氏(南大阪小児リハビリテーション病院)[図2]が会長を務め,令和初の日本小児整形外科学会ということで,プログラムにはオーディエンスを飽きさせないさまざまな工夫がなされていた.
基調テーマに「小児整形外科医のアイデンティティ」を掲げ,先達たちがなしてきたこと,そしてわれわれがすべきことは何かをみつめ直し,小児整形外科医とは何か,子どもたちの幸福のために何をすべきかを考えさせられる内容が,あちらこちらに散りばめられていた.今回が記念すべき第30回ということもあり「歴代理事長と語るJPOA30周年」が特別に企画され,参加された歴代理事長が一堂に会し,これまでの歴史とこれからの展望について座談会が開かれた.そのほかに,日本小児整形外科学会の各委員会がこれまでの活動内容をポスターにまとめ,それらが展示されていた.各委員会の涙ぐましい努力や苦労を垣間みることができた非常に面白い企画であった.
新たな試みとしては海外演者の教育研修講演と同テーマのシンポジウムやパネルディスカッションを組み合わせることで,会場を移動することなく一つのテーマを聴くことができた.またビデオセッションでは,実際の術式を経験豊富な各分野のエキスパートたちが自分たちの手術手技をビデオでみせながら,ピットフォールやコツを余すところなく解説した.聴衆もここぞとばかりに質問をぶつけ,非常に活発な討論が行われた.主題,一般演題,ポスター発表も多く,4会場に分かれて熱い議論が交わされた.
© Nankodo Co., Ltd., 2020