連載 X線診断Q&A
X線診断Q&A
矢野 紘一郎
1
1東京女子医科大学整形外科・膠原病リウマチ痛風センター講師
pp.1407-1408
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_1407
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Question
症 例.46歳,男.
主 訴:両手指腫脹,変形.
既往歴:糖尿病,高血圧,高尿酸血症.
家族歴:両親とも糖尿病.
現病歴:20年前に右母趾痛風発作で近医を受診し,その際の血清尿酸値は17mg/dlであった.発作鎮静後に尿酸降下薬の内服開始となったが自己中断し,その後も何度か痛風発作を繰り返していた.今回,両手指の腫脹,変形を主訴に当院初診となった.
身体所見:両手の近位指節間(PIP)関節,中手指節間(MCP)関節に腫脹が多発し,右小指はボタン穴変形を呈していた.両肘,両膝,足関節にも同様に腫脹を認めていた.いずれの関節も疼痛,発赤を認めなかった.
血液検査所見:CRP 0.12mg/dl,リウマトイド因子3IU/ml,抗CCP抗体0.5U/ml,ANA定量40未満,尿酸11.2mg/dlであった.
X線所見:図1に初診時両手単純X線正面像を示す.
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