誌説
たすき
眞島 任史
1
1日本医科大学大学院整形外科教授
pp.1050-1050
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_1050
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- 文献概要
日本医科大学は,1876年に長谷川泰先生により創設された済生学舎を前身とし,「済生救民」すなわち,「貧しくしてその上病気で苦しんでいる人々を救うのが,医師の最も大切な道である」ことを建学の精神としています.特定の宗教をもたない日本では,宗教思想による道徳教育ではなく,武士道の精神をもとにした思想にこの建学の精神は通ずるものがあると思います.学是は「克己殉公」,すなわち「我が身を捨てて,広く人々のために尽くす」です.今まさに,新型コロナウイルスに対して急ピッチでワクチンを開発している研究者,自らも感染のリスクと闘いながら目の前の患者を救うために骨身を惜しまず診療にあたる同僚たちが大勢います.図らずしてわが校建学の精神を否が応でも肝に銘じて毎日を過ごすことになりました.われわれは医学の知識を総動員して,一丸となって困難な道である新型コロナウイルスに立ち向かっていき,本稿が出版されるころには,収束の目途がついていることを切に願います.
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