学会を聞く
第32回日本創外固定・骨延長学会を主催して
島田 洋一
1
Y. Shimada
1
1秋田大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Akita University Graduate School of Medicine, Akita
pp.1019-1023
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_1019
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1.は じ め に
この度,2019年3月1日(金)~2日(土)の2日間,秋田アトリオン(秋田市)で第32回日本創外固定・骨延長学会を開催した(図1).整形外科領域における創外固定は,プレートや髄内釘とともに,なくてはならない治療機器で,開放骨折や骨盤骨折に対する初期治療,重症な多発外傷におけるdamage controlとしても必須である.さらに,骨折治療過程における変形や偽関節,骨欠損治療では大きな利点を有する.
秋田県におけるIlizarov創外固定は,教授就任後積極的に導入し,現在では県内全域に広がった.Ilizarov創外固定のもつ「強固な固定力」を背景に,重度四肢外傷・後遺障害から,骨粗鬆症脆弱性骨折にいたるまで,「早期荷重・早期退院」をモットーに,全国トップクラスの症例数を誇るまでに成長した.
3月の秋田は寒いにもかかわらず,総数222演題と過去最多となり,関係各位には心より感謝申し上げる.本学会は例年2会場で行われるが,今回は演題数が多いこともあり,4会場とした.各会場とも,参加していただいた方々の熱気で,寒気を吹き飛ばしていただくことができたと喜んでいる.
本学会のテーマは「IlizarovとMicrosurgeryの融合」とした.Ilizarov創外固定,microsurgeryの二つの技術を融合させることで,これまで成し得なかった多くの難治例に挑み,結果として「患者ファースト」の治療を行うことができると考えてのことである(図2).
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