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「スポーツ」はすることもみることも大好きです.あまり「スポーツ」について深く考えることもないのですが,いろいろ思うところがあって考えてみました.まず「スポーツ」の定義ですが,『広辞苑』(岩波書店)によりますと「陸上競技,野球,テニス,水泳,ボートレースなどから登山,狩猟にいたるまで,遊戯・競技・肉体的鍛錬の要素を含む身体活動の総称」とあります.『大辞林』(三省堂)では,「余暇活動・競技・体力づくりとして行う身体活動.陸上競技・水泳・各種球技・スキー・スケート・登山などの総称」と記載され,『ブリタニカ国際大百科事典』(ブリタニカ・ジャパン社)では「競技と遊戯性をもつ広義の運動競技の総称」とあります.1968年国際スポーツ・体育評議会(ICSPE)による定義では「スポーツとは,プレイの性格をもち自己または他人との競争,あるいは自然の障害との対決を含む運動である」とあります.“Wikipedia” には「スポーツ[英:sport/sports(北米)]は,一定のルールに則って営まれる競技のこと」とあります.
“Sport” 「スポーツ」の語源は,ラテン語の “deportare” 「デポルターレ」に遡るとされ,デポルターレは「あるものを別の場所に運び去る」から「憂いを持ち去る」という意味があり,あるいは “portare” 「荷を担ぐ」の否定形であり「荷を担がない,働かない」という意味であるそうです.このデポルターレが中世フランス語の “desporter” 「仕事や義務でない,気晴らしをする,楽しむ」となり,14世紀には英語で “disport” に変化し,16世紀には省略されて “sport” になったと考えられています.近代になって,一定のルールに従って競技する,いわゆる競技スポーツが一般的になり,現在のスポーツの意味合いが強くなりました.
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