Japanese
English
連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング
手関節・手疾患(外傷を含む)
Disorders of the wrist and hand
柿木 良介
1
R. Kakinoki
1
1近畿大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kindai University Hospital, Osakasayama
キーワード:
wrist pain
,
Kienböck disease
,
osteonecrosis
Keyword:
wrist pain
,
Kienböck disease
,
osteonecrosis
pp.179-190
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_179
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症 例.29歳,男.高校教師.
主 訴:左手関節痛.
既往歴:16歳時に虫垂炎で手術を受けていた.
家族歴:両親,兄弟は健康で,特記すべきことはない.
現病歴:4ヵ月前より特に誘因なく左手関節に疼痛を自覚するようになった.近医を受診し,手関節X線撮影を受けたが特に異常はなく,鎮痛薬を処方された.鎮痛薬を飲むと一時的に疼痛は軽減したが,内服をやめると再び左手関節に疼痛を感じた.再度近医を受診してX線検査を施行され,異常を指摘されて精査目的で当院を紹介されて受診した.
初診時所見:左手関節背側中央部に軽度の腫脹があり,同部に圧痛があった.手関節の他動可動域(ROM)は,背屈右85°,左80°,屈曲右90°,左75°であった.徒手筋力検査では,手関節背屈・掌屈力,母指・手指の屈曲・伸展に明らかな筋力低下はなかった.握力は右42kg,左19kgで,左握力が著明に低下していた.左右の手に知覚障害はなかった.当院初診時の左手関節単純X線像(図1)を示す.採血上,特に異常はなかった.
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