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連載 最新原著レビュー
脂肪組織由来再生細胞は家兎モデルにおいて移植腱骨孔間の癒合を促進する
Adipose-derived regenerative cells promote tendon-bone healing in a rabbit model
小坂 正裕
1
,
中瀬 順介
1
,
林 克洋
1
,
土屋 弘行
1
M. Kosaka
1
,
J. Nakase
1
,
K. Hayashi
1
,
H. Tsuchiya
1
1金沢大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University
キーワード:
anterior cruciate ligament reconstruction
,
adipose-derived regenerative cell
,
bone tunnel
,
tendon graft
,
graft healing
Keyword:
anterior cruciate ligament reconstruction
,
adipose-derived regenerative cell
,
bone tunnel
,
tendon graft
,
graft healing
pp.1425-1427
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei68_1425
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【要 旨】
目 的:家兎膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)再建術モデルを用いて,脂肪組織由来再生細胞(adipose-derived regenerative cells:ADRCs)の局所投与による移植腱-骨孔間の癒合促進効果について検討することとした.
対象および方法:白色家兎に対して自家半腱様筋腱グラフトを用いてACL再建術を施行した.再建時,骨孔内にADRCsとフィブリン糊を挿入したADRC群40羽と,フィブリン糊のみを挿入した対照群40羽を作製した.術後2・4・6・8・12週において各群8羽ずつを屠殺し,3羽を組織学的評価に,5羽を生体力学的評価に使用した.
結 果:組織学的評価では,ADRC群では対照群に比べ,界面領域における軟骨様細胞がより規則的に,かつより均一な大きさやかたちで出現し,移植腱と骨組織を結ぶSharpey線維がより早期から出現した.生体力学的評価では,最大破断強度において術後2・4週で,剛性において術後6週で,ADRC群が対照群に比べ有意に大きな値を示した.術後8・12週では最大破断強度・剛性ともにADRC群が対照群に比べ大きな値を示したが,いずれも有意差はなかった.
結 論:家兎膝ACL再建術モデルにおいて,ADRCsの局所投与により移植腱-骨孔間の術後早期癒合過程の促進がみられた.
© Nankodo Co., Ltd., 2017