特集 急増する患者を誰が診る? 成人先天性心疾患
[Chapter 2] 成人先天性心疾患の診断・管理
心臓CT・心臓MRI検査
椎名 由美
1
1聖路加国際病院 循環器内科
キーワード:
心臓CT
,
心臓MRI
,
右室容積
,
肺動脈弁逆流
Keyword:
心臓CT
,
心臓MRI
,
右室容積
,
肺動脈弁逆流
pp.198-201
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_198
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★★★心臓CTは主肺動脈~末梢肺動脈の狭窄や拡張,側副血行路を評価するのに非常に有用である.
★★Fontan循環の心外導管のなかの血栓やunroofed coronary sinusなどの特殊な解剖学的構造における造影CTは,静脈相に合わせた撮影タイミングの工夫が必要であり,可能であれば先天性心疾患の血行動態を理解した検者・施設での撮影を推奨する.
★★喀血を繰り返すチアノーゼ性先天性心疾患では造影CTにて肺・気管・気管支周囲の側副血行路の著明な発育がみられることが多い.先天性心疾患の喀血・鼻出血はまれではない.
★★★心臓MRIは被曝の心配がなく,造影剤なしの単純シネMRIや位相画像で十分な情報が得られる.若年先天性心疾患のフォローアップツールとして非常に有用である.
★★心臓MRIは右心室容積・駆出率評価のゴールドスタンダードとみなされており,Fallot四徴症などの右室容積,収縮能,肺動脈弁逆流,Qp/Qsを定量的に評価することができる.経胸壁心エコーの情報だけでは不十分であり,診療ガイドラインも心臓MRIに基づきカットオフ値が記載されている.
★★先天性心疾患・遺伝性心疾患の一部は大動脈拡張をきたす疾患が存在し,大動脈解離のリスクがあるため,必要に応じて妊娠中でもMRIを用いて大動脈の拡大の有無をフォローアップすることができる.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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