特集 内科医に知ってもらいたい シン・腎臓診療
[Chapter 1] 「内科」から「腎臓内科」への道標
経過観察? それとも腎臓内科に相談すべき? 尿潜血陽性,尿沈渣異常
島田 美智子
1
1弘前大学 教育学部教育保健講座
キーワード:
尿潜血
,
顕微鏡的血尿
,
肉眼的血尿
Keyword:
尿潜血
,
顕微鏡的血尿
,
肉眼的血尿
pp.12-15
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_12
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★★★試験紙法で尿潜血陽性の場合,尿沈渣にて赤血球の有無を確認する.
★★尿沈渣により糸球体性,非糸球体性の血尿と判定するが,断定的なものではなく,複数回の結果により総合的に判断する.
★★糸球体性血尿や,赤血球円柱,顆粒円柱などの異常な円柱,尿蛋白,腎機能障害などがみられる場合には,糸球体腎炎などを疑い腎臓内科に紹介する.
★★血尿が明らかとなった場合,腹部超音波検査や尿細胞診による評価は,簡便で低侵襲のため頻用されるが,悪性腫瘍の検出率は不十分であることに留意する.リスクに応じて泌尿器科に紹介する.
★★抗凝固薬,抗血小板薬を服用中の尿潜血は,これらの薬を服用していない患者と同様に評価を行う必要がある.
★コロナウイルスワクチンによる血尿の多くは,潜在的,未診断のIgA腎症によって生じるものと推察される.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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