検査説明Q&A・12
尿沈渣と尿潜血反応の結果が乖離していますが(沈渣赤血球増加・尿潜血陰性,沈渣赤血球正常・尿潜血陽性),どのようなことが考えられますか?
田中 真弓
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.1551-1553
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200656
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■尿潜血検査
尿潜血検査は主に血尿のスクリーニングとして行われる.尿中赤血球由来のヘモグロビンを化学的に検出するため,その測定原理から血尿,ヘモグロビン尿,ミオグロビン尿で陽性となる.
■尿潜血試験紙反応の測定原理
尿潜血試験紙の測定原理は,ヘモグロビンのペルオキシダーゼ(peroxidase:POD)様活性を用いている(図1)1).尿試験紙には過酸化物と色原体が含まれており,試薬の過酸化物は尿ヘモグロビン鉄のPOD様活性によって活性酸素を遊離する.この活性酸素によって無色の還元型色原体が酸化され,青色の酸化型色原体となる.試薬組成は各試験紙メーカーによって異なり,黄色系色素をベースに使用しているものは緑色の呈色変化となる.
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