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第10章 腎臓
[腎臓病疫学]慢性腎臓病(CKD)とgreen nephrology
永井 恵
1
1(株)日立製作所日立総合病院 腎臓内科
キーワード:
地球温暖化
,
温室効果ガス
,
慢性腎臓病(CKD)
,
green nephrology
,
透析療法
Keyword:
地球温暖化
,
温室効果ガス
,
慢性腎臓病(CKD)
,
green nephrology
,
透析療法
pp.803-807
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_803
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Summary
・透析療法は平均的な医療行為による温室効果ガス排出の10倍程度とも試算され,非常に環境負荷が大きい.
・非透析患者であっても,慢性腎臓病(CKD)の進行によって環境負荷は増大する.
・green nephrologyは,透析医療に限らず,高齢化に伴い増加するCKDの診療のあり方を,地球環境に配慮したうえで考えるものである.
・日本においてgreen nephrologyの認知度はきわめて低いが,腎臓専門医や非専門医,多くの医療従事者が健康・医療・環境の連関を意識し,CKDの新規発症や進展を抑制すること,持続可能な治療法を確立することが望まれる.
・目の前の患者の腎臓を守ることは,未来の子ども達の地球を守ることであり,その自覚をもって質の高い腎臓診療を展開したい.
© Nankodo Co., Ltd., 2024