書評
研修医が知りたい対応をチャートで整理! 呼吸器診療エッセンシャル
児玉 裕三
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1順天堂大学呼吸器内科 先任准教授
pp.1171-1171
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_1171
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- 文献概要
私が研修医になりたての頃に先輩から薦められたのが『ワシントンマニュアル』であった.当時の書籍としてはコンパクトなほうであったが,やはり持ち運ぶのは不便であり,結局は医局のデスクに置く辞書的なものであった.その後,さまざまなポケットマニュアルが出て,それらを携帯することによって白衣のポケットが相当膨らんでいたものである.病室の患者さんから,「先生はドラえもん? 先生のポケットのなかはいつもいっぱいね~」と,気の毒に思われたという記憶がある.そして教授回診の際に,その方から教授の白衣が非常にスッキリしていることを指摘されて,「お偉い先生はやはりすべての情報が頭に入っているのね!」と皮肉をいわれたことを懐かしく思う今日この頃である.たしかに教授の白衣の胸ポケットにはボールペン1本程度しか入っておらず,やはり多くの経験を積んで知識を蓄積し,技量を上げるには地道な努力が重要なのだろうと感心したことを思い出す.その後,自分自身も経験を積み,少しずつ立場が上になっていくにつれて “要領よく” 対応する術も身についてきた.しかし,やはり理想としては常に基本に立ち返り,成書に目を通し,文献検索を行って知識をアップデートすることが重要である.
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