Japanese
English
投稿 症例
悪性高血圧症の1例
-治療に伴う血漿レニン活性の経過
A case of malignant hypertension―observation of plasma renin activity during treatment
山口 康平
1
,
堤 厚之
1
,
堤 悦朗
1
K. Yamaguchi
1
,
A. Tsutsumi
1
,
E. Tsutsumi
1
1回生会堤病院
pp.1221-1225
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1221
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は じ め に 悪性高血圧症(malignant hypertension:MHT)は著しい高血圧と高度の高血圧性網膜症を有し,放置すれば重篤な脳,心,腎の合併症をきたす症候群である.近年その発症頻度は減少しており1),症例報告も少ない2).年代や基礎疾患により病像が異なることも報告されている3).本症は圧利尿あるいは細小血管障害を介してレニン-アンジオテンシン-アルドステロン(renin-angiotensin-aldosterone:RAA)系を含む昇圧系が活性化され,その結果さらに血圧の上昇と細小血管障害の進展をきたし,悪循環を形成していることが想定されている4).本症例のMHTは血圧コントロールが改善した後も高レニン血症が持続したため,若干の考察を加えて報告する.また,本症例は妊娠高血圧症候群の既往を有していたため出産後の患者指導についても言及する.
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