特集 診断の糸口はここにある 手がかりから紐解く臨床推論
第9章 血液
[Case 3 不明熱]抗生物質をもらって内服していますが,熱が下がりません
藤原 慎二
1
,
島田 和之
1
1名古屋大学大学院 医学系研究科血液・腫瘍内科学
pp.629-633
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_629
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診断は何か
手がかり
抗菌薬不応の発熱であり,発熱の間隔も徐々に短くなり,経時的に悪化している
身体診察上は体表リンパ節の腫脹はなく,吸気時に肝臓および脾臓を1横指触知し,画像検査上は肝脾腫および同部位にFDGの集積を認める(図1)
血液検査では,LDH高値のほかに,軽度の貧血,血小板減少(表1)を認める
骨髄検査で,大型の異常細胞と血球貪食像(図2)を認める
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