特集 診断の糸口はここにある 手がかりから紐解く臨床推論
第2章 呼吸器
[Case 1 慢性咳嗽]毎年冬になると咳が出て困っています
大津 陽
1
,
宮田 純
1
1慶應義塾大学 医学部呼吸器内科
pp.388-391
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_388
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診断は何か
手がかり
咳嗽が冬に増悪し,春になると改善するという季節性に悪化するパターンを呈している
血液検査にて血球分画で好酸球増多を認め,血清の総IgE値が高値である
呼吸機能検査(図1)にて閉塞性換気障害を認め,フローボリューム曲線が下に凸なパターンを示す.気道可逆性を認める.呼気一酸化窒素濃度が高値である
胸部CT(図2)にて,両肺の気管支壁のびまん性の壁肥厚を認めている
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