特集 内分泌疾患診断のための5 Steps―「見逃しやすい」を「見逃さない」に変えるために
[Step 3] 外見やホルモン値に惑わされないよう注意する
ホルモン応答性の異常
伊澤 正一郎
1
1鳥取大学 医学部循環器・内分泌代謝内科学分野
キーワード:
甲状腺機能検査
,
甲状腺ホルモン受容体
,
甲状腺ホルモン結合蛋白
,
脱ヨウ素酵素
Keyword:
甲状腺機能検査
,
甲状腺ホルモン受容体
,
甲状腺ホルモン結合蛋白
,
脱ヨウ素酵素
pp.268-270
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_268
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▪調節に関わるホルモンとその標的臓器の関係を考慮して内分泌検査を実施することは,ホルモンの過不足のみならず,疾患の推定に有用である.
▪調節に関わるホルモンの評価は潜在性の病態をスクリーニングするために有用であるが,結果の解釈には患者背景を考慮する必要がある.
▪不適切TSH分泌症候群(SITSH)を疑う場合,甲状腺ホルモン不応症(RTH),TSH産生下垂体腺腫(TSHoma),家族性異常アルブミン性高サイロキシン血症(FDH)などの鑑別診断が必要である.
▪甲状腺ホルモン(T)の応答性は,調節に関わる甲状腺刺激ホルモン(TSH)や疾患以外にT受容体の感受性,脱ヨウ素酵素(D)活性,結合蛋白濃度などの影響をうける.
© Nankodo Co., Ltd., 2023