特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第2章:呼吸器
症状がありませんが,高齢男性が検診で両側下肺野にすりガラス陰影を指摘されました.どうすればよいでしょうか?
千葉 弘文
1
1札幌医科大学 呼吸器・アレルギー内科
pp.376-378
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_376
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お答えします 両側下肺野にすりガラス陰影がみられる場合,何らかの間質性肺炎が存在する可能性があります.問診では薬剤歴など間質性肺炎の原因となる事項について尋ねます.診察では,背部で吸気時の捻髪音が聴取されないかを確認することが重要です.また間質性肺炎患者の約半数にばち指を認めます.血清バイオマーカー(KL-6,SP-D)は感度・特異度が高く,間質性肺炎の存在診断にも有用です.さらに可能であれば胸部CT検査を行い,間質性肺炎が疑われる場合には,たとえ無症状であっても一度は呼吸器専門医へ紹介することが大切です.
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