併存疾患の管理

Summary

▪心不全では，治療，QOL，再入院および生命予後の観点から非心血管併存疾患の管理は重要である．

▪多くの併存疾患の治療は，それぞれの疾患分野の専門家によって作成されたガイドラインに従っている．

▪心不全では，併存疾患に対する通常の治療をどこまで行い，どこを変更すべきか検討を要する．

▪収縮力の低下した心不全（HFrEF）に対し，予後改善効果が証明されている薬剤であったとしても，併存疾患やその重症度によって大規模研究から除外されており，有効性や安全性が不明な薬剤は少なくない．

▪収縮力の保たれた心不全（HFpEF）では，生命予後を改善する治療薬はなく，併存疾患に対する治療が基本となる．