連載 ~知っているようで,実は十分に理解していない~ 医療に関する制度のあれこれ
第3回 介護保険制度
波多野 将
1
1東京大学大学院医学系研究科重症心不全治療開発講座
pp.1161-1165
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1161
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高齢化の進行に伴い,介護を必要とする高齢者の増加や核家族化の進行,介護による離職が社会問題となってきています.こうしたなか,家族の負担を軽減し,介護を社会全体で支えることを目的に,2000年に介護保険制度が創設されました.平成30年4月現在でこの制度を644万人が利用し,介護を必要とする高齢者を支える制度として定着しています.介護保険の被保険者は,65歳以上の第1号被保険者と,40歳から64歳までの医療保険加入者(第2号被保険者)に分けられます.第1号被保険者は,原因を問わずに要介護認定または要支援認定を受けたときに介護サービスを受けることができます.一方,第2号被保険者は,加齢に伴う疾病(特定疾病)が原因で要介護(要支援)認定を受けたときに介護サービスを受けることができます.表1の16疾患が特定疾病に該当します.
第2号被保険者は,健康保険料の一部として介護保険料を納付します.第1号被保険者は,年金受給額が年18万円以上の場合には年金から天引きされる形で(特別徴収),18万円以下の場合には納付書を用いて(普通徴収),介護保険料を納付します.
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