特集 高血圧診療Update―「高血圧治療ガイドライン2019」で何が変わるのか?
Overview
高血圧管理および治療の基本方針Update
平和 伸仁
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓・高血圧内科
キーワード:
JSH2019
,
リスクの層別化
,
生活習慣の修正
,
降圧治療
,
高値血圧
Keyword:
JSH2019
,
リスクの層別化
,
生活習慣の修正
,
降圧治療
,
高値血圧
pp.189-192
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_189
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Summary
▪「高血圧治療ガイドライン2019」(JSH2019)では,一般医家が最も高頻度に遭遇する高血圧に対して,エビデンスをもって治療するための指針を記載している.治療対象者は若年者から高齢者まで幅広く,また二次性高血圧に関する記載もある.
▪JSH2019では,血圧測定機器の選定から正確な血圧測定の重要性,家庭血圧測定の有用性を詳述している.
▪血圧の分類は,日本人の疫学データや大規模臨床研究結果および観察研究を含めたメタ解析を基本として検討され,高血圧基準が決められている.
▪血圧値とリスク層によりリスク評価を行い,生活習慣修正による効果が不十分な場合に降圧薬を用いた治療を行う.
▪高値血圧(130~139/80~89mmHg)であっても,高リスク患者であれば生活習慣の修正を行い,効果が不十分な場合は降圧薬の使用も考慮することとなった.低・中等リスクの場合は降圧薬を用いることはなく,徹底した生活習慣の修正(あるいは非薬物療法)を行って降圧目標を目指すこととなっている.
▪施設に入所しているフレイル患者や寝たきりの患者については十分なエビデンスがなく,個別に対応して降圧目標を決めるべきであるとされている.
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