特集 この薬,一生続けるんですか?
特集のねらい
「この薬,一生続けるんですか?」と聞かれたら
坂倉 建一
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科
キーワード:
循環器系薬剤
,
呼吸器系薬剤
,
糖尿病・内分泌系薬剤
,
消化器系薬剤
Keyword:
循環器系薬剤
,
呼吸器系薬剤
,
糖尿病・内分泌系薬剤
,
消化器系薬剤
pp.332-333
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_332
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- 文献概要
昨今,各領域でガイドラインが整理され,各種疾患に対して必要な内服薬が整理されつつある.たとえば,心筋梗塞後の場合にはaspirin(Class I),ACE阻害薬(Class IまたはIIa),β遮断薬(Class IまたはIIa),スタチン(Class IまたはIIa)がほぼ必須とされているため,心筋梗塞後であれば少なくともこれら4剤は内服することになる(4剤はミニマムで実際にはもっと多くなる).一方で高齢化社会が進む今日,高齢者はさまざまな持病を抱えているため,受診する診療科の領域も多岐にわたる.そのため,内服しなければならない薬剤の数が10剤を超えることも珍しくはなく,20剤を超えることも起こりうる.当然,そういった状況になれば患者側の内服アドヒアランスは低下し,薬剤費用も高額になる.大学病院など専門診療科をはしごしていた患者の病態が安定すると,一般内科医に紹介されることはしばしばあるが,一般内科医が内服薬を中止するという判断は容易ではない.専門診療科でフォローの予定があればよいが,フォローの予定がない場合に一般内科医は困り果てることになる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019