Japanese
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投稿 症例
ウレアーゼ非産生菌による閉塞性尿路感染症で高アンモニア血症をきたした1例
A case of hyperammonemia due to obstructive urinary tract infection by urease nonproducing bacteria.
伊藤 尚子
1
,
三浦 幸
1
,
雨森 健太郎
1
,
芦澤 直人
1
N. Ito
1
,
M. Miura
1
,
K. Amenomori
1
,
N. Ashizawa
1
1日本赤十字社長崎原爆病院内科
pp.1233-1236
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_1233
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は じ め に 近年,独居高齢者の増加に伴い意識障害を主訴に救急外来を受診する患者数は増加している.意識障害をきたす疾患の鑑別に当たっては,高アンモニア血症は重要な原因の一つである.もちろん,高アンモニア血症の原因としては,まず非代償期の肝硬変を思い浮かべることが多いが,肝機能に異常のない高アンモニア血症に遭遇することがある.ウレアーゼ産生菌感染による高アンモニア血症の報告は散見されるが,その多くは尿路感染症である.また,ウレアーゼ産生菌の存在がなくとも,閉塞性尿路感染症の存在のみで膀胱内圧の上昇により高アンモニア血症をきたしたとの報告もある.今回,われわれは,ウレアーゼ非産生菌の閉塞性尿路感染症を契機に,高アンモニア血症による意識障害をきたした高齢女性症例を経験したので報告する.
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