特集 高齢者医療ハンドブック―高齢者医療におけるダイバーシティへの対応
第Ⅴ章 認知症
1.認知症の疫学とスクリーニング法
井桁 之総
1
Yukifusa IGETA
1
1虎の門病院高齢者総合診療部・認知症科/認知症疾患医療センター
pp.724-728
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_724
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Summary
▪日本は超高齢社会となり2025年には730万人(65歳以上の5人に1人)が認知症になると予想される.
▪Alzheimer型認知症(AD)が最多であり,AD増加率は上昇している.一方,欧米では教育歴が上がり認知症発症率が低下している.脳を使い高血圧や糖尿病などの危険因子を管理し,サルコペニアなどの老年症候群の予防を行えば認知症発症率の上昇を防げる可能性がある.
▪スクリーニング法ではMMSEやHDS-Rといった従来の方法に加えMCIの鑑別にMoCA-Jが利用されるようになり,超早期診断を目指したPACCやMBI-Cといった新たな検査法も開発された.しかし,診断には認知機能だけではなく日常生活に支障があるか,という視点が最も重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2018