症候から学ぶ感染症診療と抗菌薬治療
《症候から迫る感染症診療》咳・痰が出る 下気道感染症の診療
忽那 賢志
1
1国立国際医療研究センター国際感染症センター
キーワード:
咳嗽
,
喀痰
,
気管支炎
,
胸部X線診断
,
鑑別診断
,
肺炎
,
結核-肺
Keyword:
Bronchitis
,
Diagnosis, Differential
,
Cough
,
Pneumonia
,
Sputum
,
Radiography, Thoracic
,
Tuberculosis, Pulmonary
pp.551-553
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012337957
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●咳・痰は一般外来でもっとも多い主訴の一つであり、原因となる疾患は多岐に渡るが、持続時間ごとに分けて考えると鑑別診断を絞り込みやすい。●急性咳嗽では急性気管支炎と肺炎の鑑別が重要となるが、バイタルサインが正常であり、発熱がなく、胸部聴診所見も正常であれば肺炎よりも急性気管支炎の可能性が高い。個々の病歴や身体所見で肺炎を診断できるものはなく、個々の病歴や身体所見を組み合わせたスコアリング法が提唱されている。●亜急性咳嗽・慢性咳嗽の原因の多くはUACS、咳喘息、GERDなどの非感染性疾患であり、肺結核はこれらに比べるとまれな原因であるが、発熱を伴う湿性咳嗽や体重減少、盗汗、血痰などの所見がみられれば早期から肺結核を疑い積極的に検査を進めるべきである。
![](/cover/first?img=J00974.2012337957.png)
©Nankodo Co., Ltd., 2012